作業療法士監修 パーキンソン病の方との関わり方

疾患との関わり方

現在日本では1000人に1~1.8人がパーキンソン病の方になります。更に65歳以上では100人に1人はパーキンソン病があります。

医療現場や親せきなどにも関わる事が多い指定難病になります。

しかしこのパーキンソン病、名前は知っていても詳しく知らない方が多くいます。

そのため知らないで関わると

「どうやって関わったらいいの?」

「何考えてるかわかんない!!」

と思った事がある方も居るのではないでしょうか。

今回は多くのパーキンソン病の方と関わる中でうまく関わっていけたポイントやパーキンソン病の特徴などを紹介していきます。

結論:人格を大切にして、無理強いをしない

詳しく紹介していきます。

まずはパーキンソン病の方を詳しく知ろう

ここからはまずパーキンソン病の方がどんな方が多く、どういう病気なのかを紹介していきます。

知らないから関われない事も多くあります。少しでも理解が入るとまた違った見方が出来ますよ

パーキンソン病の方は多くで共通する性格特性が研究で報告されています。

ミネソタ多面人格目録を用いたコホート研究では、”不安傾向の性格が発症リスクを1.63倍に高める”

性格のビッグファイブモデルで”外向性と開放性が低い”

クロニンジャーの性格モデルで”新規性追求が低く(非外交的・倹約的・秩序を重んじる)、損害回避が高い(慎重・恐れやすい・悲観的・内気)”

鳥取大学での研究で”60-80%が非社交的・内向的な傾向”

つまり、【一人を好んで真面目に神経質なほど完璧を求める人】がなりやすいという事になります。

私が臨床で出会った人も多くは上記のような性格特性を持った方が多いです。

それこそ家族さんなどでは、頑固で自己中の人よ!と表現する人すらいるほどです

この性格特性により、今までやってきた方法を修正する事が嫌う事が多く、また数回あった程度の人には心を開いてくれず提案も断られる事も多いです。

次にパーキンソン病の病気全体を知っていきましょう。

パーキンソン病の症状には「運動症状」と「非運動症状」が存在します。

運動症状は、振戦・動作緩慢・筋強剛・姿勢保持障害

非運動症状には、便秘・易疲労性・嗅覚低下・起立性低血圧・うつ・興味や意欲の低下(アパシー)

上記の症状を認める事が多いです。

症状が進行するにあたり、この症状はどんどん強くなっていきます。

また薬物治療等でも一時的に抑える事が可能でも、効果が急に切れる事や薬物で動きやすくなった反動で症状が強く出る事などもあります。

このような症状によって、対面した方には

会話していても動作や笑顔が見られず、話が途絶えて会話が続かないなどの印象を抱いてしまう原因になります。


パーキンソン病の方との関わり方

これまで上げた元々の性格特性や病気としての症状によって、多くを話してくれず提案にも乗らないでうまく手伝えない事が多いです。

ここで、私が対応してきた体験から効果が高かった方法を紹介します。

  1. 物事を提案する際は、根拠を示す
  2. 一人からではなく、周囲の親しい方などからも提案をしてもらう
  3. 現状だけでなく、一歩先の状態を考えて早めに提案を出す

詳しく説明します。

これは性格特性の真面目で完璧主義な点から受け入れをしてもらう事が多くありました。

私の体験談では、

歩行障害が強くなってきたパーキンソン病の方に歩行器の選定理由を病気や現状、歩行器の特性などを合わせて紹介して実際の場面で体験してもらう事で、それまで拒否されていた歩行器を継続して使用していただけた という事例があります

またただの感想などの説明では、本人の意思が強く拒否が変わらない事が多いです。

現状をうまく認識できていない方も多いため、今の状態を説明してどのポイントで修正するのかを伝えると真面目に修正を受け入れる場面があります。

こちらも性格特性からのアプローチですが、真面目に秩序を守って動作をされる事が多いです。

そのため周囲から共通した指摘や指導を行う事で、こちらから促したアプローチを真面目に守る事があります。

また家族の場合は、病前にパーキンソン病の方が主導で様々な事をされている事が多くあまり話を聞いてくれない事が多くあります。その際は主治医や看護師などの立場が上になりやすい方からアプローチをかけていただくと受け入れやすい事が多くあります。

私の体験として、家族さんが熱心に伝えても本人は我関せずで喧嘩になってしまう家庭が多くあります。家族だけではヒートアップして会話が平行線になる事もあるので、間に医療職などが入ると家庭崩壊を停める事にもなります。

こちらは病気の特性からです。最初にも説明しましたがパーキンソン病は指定難病に該当しています。そのため症状は遅らせても完治することはありません。

そのためいつかは症状が悪化して日常生活の動作が困難が多く出てきてしまいます。

しかしその場その場で説明しても、本人の認識が追い付かず受け入れるために時間を要す事が多くあります。

体験談では、病院にて介入するにあたり今後病気でどのように動きが難しくなるかと介入初期に説明を行う事で本人の考える時間を作る事ができご自身で自分が大切にしたい動作などを相談してもらう事がありました。

病気になり主治医からの説明のみでは実感を得ていない方も少なくありません。

関わっていく中で病気の説明や病気が進む事、徐々に今行えている動作が出来なくなる事を説明して早めに提案を出しておく事で受け入れの時間を作りこらちからの提案を受け入れる事が出来る事があります。

この三つを行う事で少しずつですが、パーキンソン病の方と関わりやすくなっていきました。

そのため、これの逆な事をすれば関係が進展しないどころか悪化して全く話を聞いてくれないなんて事も多くあります。

まとめ

「結論:人格を大切にして、無理強いをしない」

上記でも説明した性格特性として”一人を好んで真面目に神経質なほど完璧を求める人”がパーキンソン病の方には多くいらっしゃいます。

また病気の症状として、「運動症状」と「非運動症状」の二種類があります。

その症状により会話が進まず、会話が弾まない事が多くあります。

性格特性・病気の症状を合わせて関わりやすくする3つのポイントは

  1. 物事を提案する際は、根拠を示す
  2. 一人からではなく、周囲の親しい方などからも提案をしてもらう
  3. 現状だけでなく、一歩先の状態を考えて早めに提案を出す

になります。

これらは、一般的な関わりでも大切ですがパーキンソン病の方には特に大切になるポイントにもなります。

まずはどれか1つからでもいいので、気にかけてみてください。

そこから徐々に関わりやすくなっていきますよ.

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